
エルカザド、ぼくらの、ひとひらなんかと並んで自分の視聴形態では見れないアニメなんですが、なにやら『逆再生』アニメらしく興味を持った。時系列を演出上入れ替えたりするのはメメントなど映画でたまにあるし、アニメでも機動戦艦ナデシコの21話「いつか走った『草原』」みたいに(ぱっと思い浮かんだのがこれだった)ある1話の中で構成をわざと入れ替えたりするのは演出技法的に珍しい事ではないと思うんだけど、2クールのアニメ全体の構成を入れ替える、それどころか最終回から見せていくなんてあんまり聞いたことがなかった。
でも作品全体の構成を入れ替えるだけなら前例があるんですよね。ひだまりスケッチなど、特に最近に。それで何故最近にこういうことやるのが多いのかなぁと思ったわけなんですが
1、涼宮ハルヒの憂鬱の成功
全体の構成をいじくるような、ある意味視聴者に挑戦的なアニメを成功させたのは何気にこれが最初かもしれない。ハルヒが成功したことがひだまりや桃華月憚を生み出す要因になったのではなかろうか。観る側にも耐性がついたし、ある程度安心して企画アニメを出せるんじゃないかと。
2、視聴質が成熟した
深夜アニメが増えてきたことと重なると思うんですけど、アニメの視聴年齢層が上がってきたり、ネットなんかで情報共有が進んだことで、少しくらい挑戦的なことしても視聴を打ち切る人が減ってきたのではないかと。その証拠に第1話放送後の他の方の感想記事やネットの反響見て周ると「意味不明・難解アニメ」って声が多かったと思うんですが、『逆再生』であるってことが知れ渡ると特に批判的な意見を聞かなくなったんですよね(把握しにくいからやめてくれって声は未だにあるけど、とりあえず全否定的なものは減った印象) 少し前だとこの手の企画ものはOVAが受け皿になってたんだけど、OVA自体がコアなテレビアニメやゲームファンのためのサービスアニメに変化していったので、深夜アニメが新たな受け皿になり、さらに10年経ってやっとハルヒが出てきたことでアニメ業界にも日の目を見た演出・構成技法なのかなと思う。
この2つが時系列をいじる・逆再生するアニメが増えてきた大きな原因なのではないかと思う。桃華月憚が生まれた要因はおおまかに上記だとして今後桃華月憚がどうなるか、つまり桃華月憚は成功するかどうかという話なんですが、個人的には面白さや商業的成功は必要ないのかなと思う(もちろんあった方がいいけど)なぜかというと、声優さん3人に脚本書かせたりとこのアニメが、ヤミ帽スタッフのやりたいことができる【企画が通った時点で成功アニメ】だからというのと。何十年というスパンで考えると、今後逆再生アニメでありながら面白さや商業的成功も収めるアニメが桃華月憚に続いて生まれてくると思うからなんです。言ってみれば桃華月憚はハルヒ構成のフォロワーであると同時に今後続く(であろう)逆再生アニメの礎となった時点である意味成功してると。
アニメ本編を見てないので色々と間違ってるかもしれませんが、自分が得た情報では桃華月憚は大体こういう構造を持ったアニメなのかなぁと思った次第です。
結論:ヤミ帽スタッフ無茶しやがって・・・・(つД`)

