気付けば日をまたいでたのね

■ストーリー
異世界冒険モノは最近ではパルムの樹以来だ
パルムとは違ってめちゃくちゃ晴れた夏の日ような美術設計がよかったなぁ
パルムは陰鬱でしょうがなかったw
ただそれにしては導入部が長く感じたのがもったいない。多分ワタルやミツルの旅の目的である『親』との関係を見せておきたかったんだろうけど、せっかく広大な異世界を冒険するんだからエンターテイメントに徹してもっと『世界』を見せてほしかったかな。途中ダイジェストになって『宝玉』集めの面白さも堪能できなかったし。原作が3部作であるが故にどこを切りとるかは難しいところだと思うけど…。
あと現代社会(宮部みゆきだから?)を反映してか『親』が主人公の大きな動機になってました。
異世界ものでは旅での成長が間接的に現実世界に影響を及ぼすのが多いと思うんですが、巻き込まれ型ではなく、ワタルが能動的に異世界に行く事を決意するためか必要な装置だったのかも。
子供の敵(問題)が家族や自分自身って狭い世界なのはなんか哀しいな
ワタルの親にしてもミツルの親にしても「もっと大人しっかり汁!」と観てておもた。ここら辺は分かりやすい代替ラスボス用意してもいいかなとも思ったけど…観てた子供はどう感じたんだろか。もしかしたらこのアニメはいっしょに観に来た親に自戒を促すアニメなのかもなぁ。
まあそういう大人はアニメを観てなにかを得ようとは思わないでしょうが…。

■キャラクターデザイン
なんと言っても千羽由利子さんですよ。リアルでもなくデフォルメでもなくその中間くらいのデザインが親子が見る映画として素晴らしいデキ。終始ワタルに明るい印象があって、物語を陰鬱感から救ってたのはキャラデザによるところも大きいと思う。
千羽さんはホントすごいですよ
この人がいなかったらTo Heart(一期)や鋼鉄天使くるみは好きにならなかったと思う
最近だとギアスでも活躍されてますね
アニメ界の宝玉です。
もちろんアニメーターさんも乙です
劇場用アニメとあって映像美を堪能させてもらいました
GONZOやるじゃん(ぉ
劇場版ではどうか解りませんが、テレビでスタッフロールがなかったのが許せんくらい。

■声優
そうなんだよなぁ
テレビ局が絡む大きな企画だと声優に有名人が起用されがちなんですよね…
そんな中でも違和感なかったのはキーマ役の北海道さんとラウ導師役の伊東四朗さんかな
声優の技量としてはどうなのかわかりませんがキャラに合ってて違和感感じなかった
キャラクターにはこれが一番です。
主役の松たか子さんは基本うまいけど感情が高ぶるシーンで棒読みだったかも
出番の多い主人公であるがゆえに仕方のないところか
感情の起伏がないミツル(ウェンツさん)はそんな感じなかったし
それにしてもこの人を主人公(少年役)に持ってきたのは面白かったと思う。
一番酷かったのはカッツ役の常盤貴子さんかな
静かなキャラだけど、もっと意思の強そうな感じを込めて欲しかった。
声オタとしてはミーナ役・斎藤千和さんや謎の少女役・川澄綾子さん、
皇女ゾフィ役・矢島晶子さんが聴きどころでした。
言ってもしょうがないのがな…
だれが得するんだろ有名人起用…。

■総括
公開当時はフジテレビが推し過ぎてて食傷気味だったんですが観てみると結構面白かった。異世界や冒険なんてワードは子供心を刺激する。当時ゲド戦記以上、時かけ未満とか言われてたのを聞いたんですが、これ以上に面白い時かけってすごいな(最後そこか

